旧記事の転載。僕には師匠が3人います。
以前、twitterで「師匠」についての話題を見ました。
学生マジックで言われるような「師弟関係」って、いわゆる芸事の師弟関係じゃないよねっていう話題でした。
確かにそう思います。
学生マジックでは、自分が経験した演目を後輩に教えるという形の師弟関係をよく見ますが、それって師匠・弟子というよりは「分掌業務の上司・部下」だと思います。
それぞれの演者が練習してきた内容に、サークルの顧問が稽古を付ける形も学生マジックでは最近ちらほら見ますが、これは「養成所の講師」になってるかなと思います。
もちろん時々、これは師弟関係になってるなぁという学生マジシャンも見かけます。
師匠に当たる人の知識や技術や思想を、弟子に当たる人がひたすら学んで、そして自分の知識や技術を磨き、自分なりの思想を構成していく。
そんな弟子に師匠が付いて面倒を見るという形です。
学生マジックでそういった師弟関係が形成されにくいのは、別に良いと思います。
サークルを良くしていく、良いショーを作る上で、そういう芸事の師弟関係は別に不可欠ではないと思います。
分掌業務でも、養成所でも、それぞれの実力がそれなりに付いていくのであれば、それで構わないかなと。
ただ、twitterで話題になった時には、軽はずみに「師匠」とか言うな、という話も出ていました。
「○○さんは、(言うなれば)私の師匠(に当たる関係)です。」程度の意味で、そうと取れるように言うのであれば良いと思うのですが、本気で師弟関係だと思って「弟子です!」っていうのは確かに、言われた側はそう思ってない場合も有りますよね。
思想的に大きく影響を受けてたり、ちょっと手品のエッセンスを教わっていたとしても、「師弟関係」と「私淑」は大きく違うものかと。
という話をした上で、僕には手品に関係する師匠が3人居ます。
~手品の師匠~
1人目は、元学生マジシャンのMさんです。
僕の1つ上の世代の方で、僕が1回生のときにゾンビボールを教わりました。
なんだ、それこそ学生マジシャンの分掌業務じゃないかと思えますが、少し事情が違ったのです。
まず、僕と師匠で所属する学生マジック団体は違いました。
まだ舞台に立ったことがない僕が、自分の団体に教えられる演者が居ない演目であるゾンビボールを教わるために、他団体へ習いに行ったのです。
当然、どこの誰かも分からない他団体の学生マジシャンの対応ということで、僕に教える役割を持つ演者さんが1人割り振られます。
それがMさんでした。
かなりの時間を割いて頂きながら、舞台での立ち方や動き方などを教わりました。
僕が所属する団体とかなり、流派というか、舞台に対するスタンスが違ったので、それを自分の舞台に還元するのは割と大変でした。
しかし、その経験が今でも行っているような複数団体の合同公演へと繋がってきていると考えています。
~パントマイムの師匠~
2人目は、パントマイムを教わった北川チコ先生です。
カルチャースクールのようなものに僕が習いに行っていたのですが、私の演技映像にコメントを頂いたり、手品の中で活きるパントマイムやシナリオ構成について具体的にアドバイスを頂いたりと、かなり勉強させて頂きました。
習った回数自体はかなり少ないのですが、困ったときにアドバイスを頂いた期間は3年以上になると思います。
また、北川先生は盲学校でパントマイムのショーをやった経験もあり、その辺りの経験談も相当な助けになりました。
北川先生のホームページはこちらです。
~タップダンスの師匠~
3人目は、タップダンスを教わった奥田けいこ先生です。
こちらも僕はカルチャースクールに習いに行く立場だったのですが、手品に活かすために短期的にステージでの立ち回りや体の動かし方、タップダンスの基本的な技術を磨きたいという旨を、失礼ながらお話ししました。
すると、じゃあ本番は経験しなくてはならないということで、タップダンスの発表会へ出演させて頂けることとなり、先生が持っているスクールを何件かハシゴさせて貰いながら、短期集中的に指導を頂けることとなりました。
最終的にはタップダンスでステージにも立たせて頂き、そして先生の元を離れたのですが、今でもその経験や熱心なご指導が、手品での自分の演技に大きく影響していると思っています。
今の僕の演技や舞台演出を見ていただけると分かると思うのですが、所属していた団体の先輩や同期や後輩の影響に加えて、指導下さった上記3人の師匠の影響が大きく出ています。
なので、失礼を承知の上で、私が師匠と呼ばせていただいているのは、Mさん、北川先生、奥田先生です。
0 件のコメント:
コメントを投稿