4年前、ある若手マジシャンの熱意で完成されたレクチャーノート。
このブログでも取り上げたのですが、去る東日本の震災の直後、和泉さんの人間離れした仕事量で、ひとつのチャリティーレクチャーノートが完成しました。
現在ではもう手に入らないのですが、あの時を思い出す意味を込めて、もう一度読み返してみました。
改めて読んでみて、おっ、と気づく点のある作品を3つピックアップします。
「アニバーサリー・ミニマル」こざわまさゆき氏
非常に手軽に出来るアニバーサリーワルツです。
アニバーサリーワルツ独特の「2回やるめんどくさい点」をどうクリアしてるんだったかな、と読み返してみると、驚くような解決策でした。
改めて追ってみると、ひとつひとつのゴチャゴチャしそうなムーブの軽量化の方法が秀逸で、負担のない手順だなぁと感じました。
でも、そんな中で1ヶ所だけ妙に難しい気がしました。そこが玉に瑕とかそういう意味ではないのですが、手軽な手順だなぁと思って読み進めていると、そこで、えっ、と一瞬思います。
こざわさんはこの頃から現在にかけて、レクチャーノートやDVDを出したりと、作品が多くの人の目に触れることとなっているような気がしますが、今この作品を見返しても、こざわさんらしい「賢い」点がたくさん見つかります。
ここぞという時に重宝しそうな手順ですね。
「3.5」大原正樹氏
コインズアクロスの手順ですが、ある特定の道具を使う手順として、これ以上に完成された手順は今でもなかなか見つからないと思います。
僕自身、4年前にはこの手順に使う道具を所持していなかったのですが、入手してからは好んで演じさせていただいています
というか、その道具を入手したのが2011年の8月ごろでして、まさに震災のあった年の夏です。
実用的で、なおかつそんなに難しい部分もないので、月日を重ねるうちに名作として固まった手順だと思います。
今後とも、演じさせていただきたいです。
「焼肉カード」さとる氏
カードに焼き色が付くというなんともユニークな現象です。
当時は、2段階目の現象の意外性と、レクチャーで触れられるTipsに目が行ったものですが、改めて読むとむしろ1段階目の現象の、方法としてクレバーさに感心してしまいました。
カードに焦げ目を付ける方法、もう見つかったのでしょうか。
確かシナノクラフトさんがカードのペイントについて詳しかった気がしますので、今ならさとるさんの求めるクオリティのカードが作れるのかもしれませんね。
このレクチャーノートが製作された当時、和泉さんは正直言って「いつ寝てるの?」ってぐらいずっとチャリティーに関わる仕事をされていました。
そんな和泉さんも、今はPlay Fairの成功でまた、活躍されています。
僕自身も、あれから4年で、盲学校でのマジックショーを実現したり、京都での夏のマジックショー(これも奇しくも、2011年からスタート)を毎年開催したりと、慌しく色々なことに手を出しています。
今日、ふと立ち止まってあの頃を思い出してみました。
これを風化させず、また明日から、自分のやれることに精を出していきたいと思います。
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