2014年3月5日水曜日

京都教育大学 2013年度本公演を終えて



2014年2月22日,23日、京都教育大学マジックサークル〜Mirage〜2013年度本公演が無事終わりました。



京都教育大学マジックサークル〜Mirage〜
2013年度本公演
「pororó-ká」(ポロロッカ)

いつものように感想を書きたいのですが、今回は私が公演の手伝いをしていたり、どちらかというと「中の人」として動いていたので、一観客としての視点を持ったレビューができません。

なので、今回はどのような公演だったかの報告を兼ねた、中の人として見た感想を書きたいと思います。
2日目は受付をしていたので、1日目だけを見ての感想です。



この公演の舞台は、「pororó-ká」ポロロッカ)という架空の店(ショーホール)です。
公演が行われるハコ(劇場)を、「pororó-ká」に見立てての世界観を作っていました。
Mirageの過去の公演とは方向性をガラリと変えた、新しいプロットの公演だと感じます。

パンフレットは、マジックサークルの公演としてのものが1部、ポロロッカのショーとしてのものが1部配布されました。また、前説の段階から「公演としての前説」ではなく、「ポロロッカのショーとしての前説」が行われました。

ショーが始まると、司会者がショーの趣旨を説明します。
テレビなどでエンターテイメントが日常にありふれている時代だからこそ、目の前で見る不思議なパフォーマンスを楽しんで欲しい、というのが「pororó-ká」のショーのスタンスです。
その後、次々に演者がパフォーマンスを披露していきます。

1:ダンシングケーン
スタンダードな1本でのダンシングケーンです。
これと言って特徴的なことはしていないのですが、激しさやノリの良さではなく浮遊感が全面に出された構成でした。

2:ウォンド
新人による、ウォンドマニピュレーションです。
シンプルにまとまった構成で、スタンダードな路線でのアクトでした。
曲の合わせるべき打点はバシッとはめることができていたので、今後は打点ではないところでも安定して曲に合わせることができるようになると良いと思います。

3:サロン(クリッターニッター)
コント仕立てで行われるサロンマジックでした。
トリプルのアイスクリームの味を順番に決めていくというプロットで行われる、クリッターニッター(スケッチブック・オー・オー)です。
コントとしてのキャラ作りや喋り方、テンポや間の取り方も、さすが貫禄で安定感がありました。
手品道具や造形のクオリティも高く、今後も非常に汎用性のある手品だと感じました。

4:ボール&コーン
ボールとコーン(円錐台型の道具)を使った、学生マジックではあまり見ない演目です。
かつてMirage創設者の方が十八番としていた演目で、その頃はボール&コーンから四ツ玉へと繋げる手順構成でしたが、今回はボール&コーンで最後まで通した手順でした。
上手く見せないと、ごちゃごちゃした印象を与えてしまいがちの演目です。
表情やジェスチャーでお客さんに「演者の置かれている状況」や「演者が何をしようとしているのか」を伝える部分が、まだ弱いように感じました。
技術的には安定していたので、今後の課題だと思います。

5:マスク
仮面のマニピュレーションと、変面の演技です。
曲の打点に狂いなく完全に合わせていたので、見ていて引きこまれました。
仮面の増殖も変面も非常に鮮やかで、クライマックスは圧巻でした。
衣装や環境への依存も少なく、とても綺麗にまとまった手順構成なので、マスクの手順としては演じやすいものだと感じました。
あえて指摘するなら、クライマックスの6枚の造形をほんの少し凝ったものにすると良いと思います。
1色ベタ塗りでも6色有るとカラフルで良かったのですが、手順における前の部分からの繋がりから考えると、ここでもうひと工夫できるなと感じました。

最後に司会者が挨拶をし、カーテンコールで演者の紹介をしてショーが終わります。
カーテンコールも、客出しも、さらには看板を劇場に入れて扉を閉めるまで「pororó-ká」のモチーフでハコ作りにこだわったのは良いと思いました。

まだまだ荒削りな演出で、たくさん課題も見つかったことと思いますが、来年度以降に同じプロットを行うにしても、また全然違うプロットの演出にするとしても、この経験が活きてくると良いなと思います。
お疲れ様でした。

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