2016年4月11日月曜日

レビュー「マジックサークル〜Mirage〜2015年度本公演」


2016年3月6日に行われた、京都教育大学マジックサークル〜Mirage〜2015年度本公演のレビューです。


2014年2月に行われた「pororó-ká」を踏襲したスタイルで、劇場を架空のショーホールに見立てての公演でした。


1:ファントムチューブ
金属の筒を使ったプロダクションアクトです。
意外とMirageの公演で演じられたことが少なく、目新しい演目だったかと思います。
技術面で練習不足な点が目立ちましたが、それよりも道具の落下などがちらほら有り、それがもったいないと感じました。
台の形状を工夫すればかなりトラブルを防げたのではないかと思います。


2:チャイナリング(新人)
堂々とした雰囲気で演じられる5本リングでした。
技術的にも安定しており、安心してみることが出来ました。
表情をもっと出すことができればさらに良いと感じました。


3:ロープ
曲に合わせておしゃべりをするスタイルで演じられる、ロープアクトでした。
再演ということも有り、非常にしっかりと完成されていました。
雰囲気だけで笑いが取れるのは流石だと思います。


4:四つ玉(新人)
オーソドックスな四つ玉の演技でした。
表情や動きのバリエーションが豊富で、見ていて楽しかったです。
時々スポットライトからフレームアウトしていたのがもったいなかったですが、例年と会場が変わっていたためこの辺りは今後の課題になるのかなと思います。


5:マスク
前回と異なる手順での、マスクマニピュレーションの演技でした。
曲との打点合わせも完璧で、アクトが完成したのだなと感じられました。
指摘するとすれば、途中でマスクのアイソレーションが有ったのですが、その部分に違和感が有りました。
マスクが4枚に分裂し、そのうち1枚が赤青の色付きマスクなのですが、マスクを捨てていく中でそれだけ捨てずに中央に持って行こうとすると、動かない。という演出でした。
これだと、なぜその1枚だけ捨てずに舞台中央へ持って行こうと思ったのかという理由付けがないと思います。
ここは、4枚のマスクを全て捨てようとするが、赤青のマスクだけが捨てられずその場で止まってしまい、そして演者が赤青のマスクによって中央へ引っ張られる、とした方が妥当かなと思いました。
しかし、総じて、とても良い演技でした。


全体
2014年2月から2年間を経て、久しぶりのMirageの舞台ということで非常にワクワクしました。
また、僕が全く関わらないMirageの舞台を観客として見に行くのは初なので、新鮮な感覚でした。
前提的にコンパクトにまとまっていて、非常に見やすく気軽に楽しめる公演だったと思います。

会場が例年と違う場所になり、小さめのハコでのショーとなりました。
小劇場っぽい感じだったのですが、マジックショーとしては非常に良い会場だったと思います。
やはり、細かい部分がよく見えると、小さい現象でも不思議に見えます。
マスクの変面なども、仮面のデザインが変わるたびに歓声が上がっていました。
舞台が小さいことによる制約も多々有ったかと思うのですが、逆に小劇場のメリットをひしひしと感じられました。

今回の公演に対して耳にした声として「結局『pororó-ká』って何なの?」というものがあります。
前回は会場の入り口に看板が有ったり、司会が「pororó-ká」という言葉にまつわることを話したりしていたのですが、今回はそれがありませんでした。
前回の公演を知っている身としてはそんなに違和感がないのですが、前回見に来ていないお客さんにとっては、確かに「pororó-ká」という単語の意味がよくわからないと思います。
これは今後「pororó-ká」という架空のショーホールがMirageの定番となっていく中で緩和されていくのかも知れないと感じます。
今後、Mirageの舞台公演がどのように続いていくのかに期待したいと思います。

また「届いたDMがステージマジックのショーなのかどうかがいまいち分からなかった」という声も聞きました。
これは、言われてみれば、ああなるほどという感じです。
最近のMirageは学園祭でのマジックカフェにおけるクロースアップマジックが主たる活動になっているように感じられ、そこでいざ架空のキャバレーの案内が届くと、マジックカフェみたいなものをやるのかな?と感じてしまうのも頷けます。
これも、今後どのようにしていくか考えていかなくてはいけないことなのだろうなと思いました。

全体的に、とても楽しい時間を過ごすことができました。
次回公演があれば、また見に行きたいと思います。



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