2016年8月28日日曜日
週刊マジオン8月号レビュー
マジッククリエーターの野島伸幸さんによる「週刊マジオン」8月号のレビューです。
週刊マジオンは、月々2160円で毎週手品のレクチャー動画が配信されるという、とても興味深いコンテンツです。内容は全て、マジッククリエーターの野島伸幸さんによる新作オリジナルマジックということで、期待が高まります。
しかしその一方で、やはり
「毎週1つオリジナルマジックって可能なの?」
「月に4つも作るなんて……質が下がるのでは?」
という不安が残ります。
野島さんの作品は僕も大好きで、レパートリーに入れている手品もいくつかあります。
しかし、そんな野島さんとはいえ、週に1つとなると……
というわけで、購読してみました。
8月配信分の4作品+αのレビューを書いていきたいと思います。
細かい現象の説明は、週刊マジオンのホームページで確認してください。
2016.08.08号~ビッグスモールン~
カードの端をちぎると色々起こります。
ホームページの画像が若干のネタバレ(タネではなく現象の)になってしまっていて、こういう感じの手品なんだろうなーと思いながら動画を見たため、最初はそこまで面白いとは感じませんでした。
ただ、その前情報が無い状態でいきなり見せられると、めっちゃびっくりすると思います。ビジュアルです。
破壊を伴うのでいらないトランプを用意する必要がありますが、その分インパクトはすごいです。
難易度はというと、簡単ではないです。慣れるとできそうです。
2016.08.14号~スリーピース・トランスポ~
2枚のカードをそれぞれ3つに破いて何かします。
この記事冒頭の写真は、練習の残骸です。
そんなに不思議ではないかなーという感じですが、やっていて楽しい手順ではあります。
ジャンボカードを使ってサロンでできたら面白そうだなと感じました。
難易度は、意外に簡単でした。手続きがごちゃごちゃしているイメージだったのですが、解説されたとおりにやると自動的に現象が成り立っているといった感じです。
これも破壊を伴いますので、トランプが減ります。
2016.08.21号~カップ&ダイス~
紙コップとサイコロを使って、色々やります。
面白い!これは面白い!!
サイコロの移動・変化・増加といった現象がテンポよくポンポンと行われていきます。
クライマックスにインパクトのある現象が用意されているのもすごいです。
実用的で、ネタをひとつ増やしたいなあという人にとっては即戦力になると思います。
難易度は、非常に簡単です。材料もすぐに揃います。
2016.08.28号~魔女のささやき~
ハートのクイーンが色々教えてくれます。
「囁くクイーン」のプロットということだったので、まあそれに毛が生えた程度だろうと油断していましたが、クライマックスでぎょっとしました。
演技動画ではなかなか手順が追えません。手品を見破ろうとしているお客さんを煙に巻こうとしているように感じます。
解説を見ると思った以上に手順が煩雑で、それによって手品の不思議さを担保していました。
古典的なプロットで「追えないマジック」を実現した良策だと思います。
難易度は、手順を覚えてしまえば難しいところは特に無いと思います。
ボーナストリック~デンデデン・デリュージョン~
お客さんが一瞬「あれっ?」って思う感じのカード当てです。
チャーリー・ミラー氏のダンバリー・デリュージョンのアレンジということですが、すごくざっくりしています。手順はとても簡単ながら、ダンバリー・デリュージョンのモヤッとした感じをきちんと残している印象で、面白かったです。
ただ、これをこのまま演じるとマジシャンのキャラクターによっては、お客さんの感想が「今のは何だったんだろう?」ぐらいに留まってしまいそうで、手順は簡単でもちゃんと演じるのは難しそうです。
他の手順に取り入れたりもしやすそうで、色々な場面で応用が効きそうな手品でした。
~~全体を通して~~
「もしかして野島さんは商売が下手なんじゃないか」
って話を知人としたことがあるのですが、まさにそれを形にしたようなコンテンツです。
例えば「カップ&ダイス」だけで2160円でも納得が行くようなクオリティです。
それをこのような形で配信するなんて、お得!!を通り越して、何か裏があるんじゃないかと疑ってしまうレベルです。
購読層は、ホームページによると『基本的にどのマジックも「中級者以上」を想定して解説しています』とのことでしたが、今のところは初心者でもきちんと練習すれば出来るマジックがほとんどだと感じました。もちろん、マニアでも楽しめると思います。
野島さんのネタが尽きるまでは購読を続けようと思いました。
今月中に購読を始めると、これら5つの作品も配信されるそうなので、ちょっとでも興味を持った方はとりあえず急いで週刊マジオン購読を申し込むことをオススメします。
--余談--
「魔女のささやき」の動画の最後に、なぜか腹話術における「動唇音を必要とする言葉」への対策がレクチャーされていました。
これは、和書ではあまり解説されていないため、腹話術を始めた人がよく勘違いしているポイントなのですが、それがきちんと解説されているので驚きました。(腹話術の本だと花丘奈果さんの著書などで解説されています)
野島さんは細かい部分にも気を配っていてすごいなあと思いました、
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