2022年8月8日月曜日

レビュー「Twilight」

マジックマーケット2022春【名古屋大学奇術研究会】ブース「Twilight」のレビューです。

名古屋大学奇術研究会と言えば、むかしむかしは結構キッチリした手品をされるイメージで、少しむかしにはUntitled Concert(西日本学生マジック合同発表会)では幕間でコミカルな演技もされていて、我が道を行くサークルなイメージがあったのですが、今回マジケに出展ということで楽しみにしていました。

見てみると、実際かなり我が道を行く感じでした。

以下、作品をひとつずつレビューしていきます。
名古屋には一度しか行ったことがないのですが、できるだけ名古屋の情景を思い浮かべながら書いていきます。


・神聖四文字(テトラグラマトン)
キングの出現です。ネタのようできっちり面白いです。
ガッツリ手品を見る気分ではないときでも軽くするっと頭に入ってくる、きしめんのような手品です。


・Droplet
輪ゴムの出現です。
現象にも方法にも飾り気なく、ういろうのようにシンプルです。
手軽に演じられそうで良いですね。


・menhera Ghost
ホーンテッドデックのような現象です。
現象に重みが有って、見ごたえがあります。
しかし方法が奇抜かというとそうでもなく、馴染みのある人にとっては親しみやすいというか、慣れていればそう抵抗はないと思います。
あんかけスパゲッティみたいなものですね。


・内臓チェンジ
ペンのカラーチェンジです。
色が変わる理由付けがあってとても良いのですが、少しグロテスクなので注意です。
苦手な人にはちょっと辛いかもしれませんね。台湾まぜそばのように。


・骨抜きシステム
ルービックキューブを使った手品です。
演技動画を見て、なんだこれ?と思ったのですが、裏側がヤバいです。マジでヤバい。もうヤバすぎて矢場とんのわらじとんかつです。
こだわりを感じられる手順でした。


・視力検査
スマートフォンを使って視力検査をします。
借りたものでも演じられそうですね。近藤産興で借りれたらやってみたいです。


・大谷ハピネスチェンジ
カードのチェンジです。
単なる変なチェンジかと思いきや、メリットなどもきっちり考察されていて素晴らしいです。
うまく決まればホームラン級のインパクトですね。
遠い夜空にこだまする龍の叫びが聞こえてくるようです。


・Botamochi Production
コインの出現です。ユニークな方法です。
空間的に見せられるので、スリーフリャーなんかにも応用できそうです。


・Entropy Band
輪ゴムがねじれます。
こういう、小手先の技術だけでなく、サトルティや現象のユニークさでも攻めてくる手品は好きです。
小手先よりもっと上、つまり手羽先です。手羽先。


・Fallen Hair
くしを使った輪ゴムのプロダクションです。面白いなあ。
急に出てくるので、本当に髪に輪ゴムがついてた?とまで思ってしまいます。
この形状のくしってどこに売ってるんでしょう。ユニモール?


全体的に、バラエティ豊かな手品を全部ぶち込んで味噌で煮込んだような作品集で、お得感があります。
部分的にも、どこを取っても面白いので、しゃちほこ張って視聴する必要はなく、ちょっとした隙間時間のひつまぶしにも最適ですね。
かなりおすすめです。




……というレビューを書いていたのですが、なんか馬鹿にしてるようにも見えるなと思ってアップしていませんでした。決してそういう意図ではございません。


そうそう、名古屋には一度しか行ったことがないと書きましたが、そのときお邪魔したマジックバーHATENAは、これまでに行ったマジックバーの個人的ベストです。
また行きたいなあ。

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