マジックマーケット2022秋の新刊(電子書籍)で出す100円冊子です。
どんな内容なのか、これはもう読んで頂いたほうが早いと思うので、この記事の後半で、なんと前書きを公開します。
電子書籍
「手品とアフォーダンス-Magic and Fool Dance-」
著:万博
価格:100円
よろしくお願いします。
※文字数の都合で商品登録情報の商品名は「手品とアフォーダンス」になっています。
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まえがき〜アフォーダンスとは〜
想像して下さい。
マジシャンがトランプを箱から取り出し、そのトランプを手の間でスプレッドしながらお客さんのほうに突き出して、こう言います。
「好きなカードを1枚思い浮かべて下さい」
すると、お客さんは混乱して一瞬手を出したりします。なぜ混乱したのでしょう。話はちゃんと聞いて欲しい。
トランプという道具は、それを見た人ひとりひとりに対して様々な行為のイメージを誘発します。
ちょうど暇だった人には「遊ぶ」という行為を誘発しますが、いま早急に何かをメモしなくてはならない人には「書く」という行為を誘発する可能性があります。「投げる」「すくう」なんかの行為を誘発する場合もありそうですね。マジックショーという環境であればテーブルにポンと置かれたトランプは、お客さんに「仕掛けがないか確認する」「混ぜる」などの行為を誘発しそうです。
このように、物や環境が人に対して何かしらの行為を誘発する(アフォードする)という考え方を、アフォーダンスと言います。
トランプを手の間でスプレッドするという例は人間による意図された行動なので、正確にはアフォーダンスとは異なる考え方と言えるのですが、マジックショーという環境においてスプレッドされたトランプが「引く」という行為をアフォードするとも考えられます。(こういった特定の感情や行為をアフォードするための手がかりをシグニファイアと言います)
なので「1枚思い浮かべてください」と言うときにトランプをスプレッドするのは、不適切なシグニファイアによって特定の行為のアフォードに失敗している例だと言えます。(これも正確には視覚情報による誘発と聴覚・言語情報による誘発の不一致であり、クロスモーダルと呼ばれる考え方です)
手品は知らず知らずのうち、アフォーダンスに支配されています。
適切なシグニファイアによるアフォードを行わないと、演者の行動が不自然な形でお客さんに伝わってしまい、それはもはや阿呆が踊っているようにしか見えません。
そうです。
「アフォーダンス」ではなく「阿呆ダンス」になってしまうのです。
同じ阿呆なら踊らにゃ損々。
ですよね。
この冊子では、アフォーダンスを履き違えて阿呆が踊ってるようにしか見えない手品を3つ(+オマケ1つ)解説します。
さあ一緒に踊りましょう!!!!
※「阿呆ダンス」は「アホウダンス」と読んでも「アホダンス」と読んでも、どちらでも良いですよ。
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