レビュー「ハムとレタスとマヨネーズのサンドイッチ」

マジックマーケット2022秋【うたかたアレンジメント】「ハムとレタスとマヨネーズのサンドイッチ」のレビューです。

名著「君は細部に宿る」の作者である あぶくさんの新作の電子書籍で、サンドイッチカードの手順がひとつ解説されています。

かなりシンプルなプロットでありながらインパクトが強い、綺麗な手順です。
特徴として、セリフがほとんどなくても成立する手順なのに、セリフなしでも何か言おうとしていることが伝わる感じがあります。この特徴をどう表現するべきか悩んだのですが、「オプティカルな作品」という言葉がしっくりくるかなあと思いました。

方法を読んでみると、なにこれ？？と思うような独特のハンドリングで解決している部分がかなりあります。難しすぎるという意味でなく、発想の理外さに、こんなことできるのか……と驚きます。
それら奇抜な動作の何が奇抜に見えているのか考えてみたところ、それらの動作はカードマジックの技法というよりは、ペラペラの四角いジャンボコインの技法と言ったほうが良いのではないかという感じの動きなんですね。こう捉えると、何食ったらこんなの思いつくんだと思っていたこの作品の構造が半分くらい理解ができて、この考え方は他の手品にも応用できそうだなと思ったりしました。

カードマジックをする人には、ぜひ裏側も見て欲しい作品です。
マジックマーケットの期間中、オンラインのショップページで買うことができます。300円です。安いな！
ショップページではPVを見ることができますが、商品を買うとフルの演技動画が見られます。解説も丁寧で分かりやすいので、PVを見て少しでも興味があれば買っておいたほうが良いと思います。300円ですし。

なんせ名著「君は細部に宿る」を再販していない作者さんなので(再販してください)、いま買わなかったら次いつ買えるかわかりません。

なお、技術的には難しすぎるということはないのですが、じゃあ簡単かというと、私は1ページ脚注の友人さんの意見に賛成です。