2024年7月5日金曜日

レビュー『da capo 2』


 Werner Miller『da capo 2』のレビューです。

前作と同様、バラエティ豊かな作品が載っています。

中身をレビューしていきますが、手品でないものについては省略します。
面白かったやつには★マークを付けます。


・Paradox Candles
7人の小人のパズルのアレンジ。
悪くないデザインだと思います。

・What about Magic Squares?
フルデックで特殊な魔方陣を作る方法。
手品でないので省略。

・Square Bet
鏡を使って魔方陣を作る。
手品でないですが、面白いです。

・Square Move
5x5の魔方陣の作り方。
手品でないので省略。

・Two Way Forcing Device
最後に止まるマスをフォースする盤。
パズル的に面白いです。

・Hallucina-Turn
矢印の左右が入れ替わる。
そういうおもちゃという感じです。

・Pip Dream
ジグザグカードでピプスを入れ替える方法。
発想は面白いですが、使えるかというと微妙です。

・Clean Cut – Plus!
ジグザグロープの別演出。
原案のほうが良いです。

★・You Do (K)Not As I Do
ロープと漏斗を使ったドゥーアズアイドゥー的な手順。
手順の完成度も高く、面白いです。名案だと思いました。

・Running up the Odds
変なカードを使って、お客さんが隠した部分の状態を当てる。
カードを使うことで他の解決法が想像できてしまうので、オセロのコマとかを使ったほうが良いと思います。

・Around the Table
16枚のカードをごちゃごちゃすると、テーブルを囲んでいるような構図になる。
この構成で特定の操作をすると何が起きるかを見てから考えた手順に思えるのですが、それにしても演出が意味不明です。

★・Permission to Lie
スペリングを使った嘘発見器のカードマジック。
変形アンダーダウンの完成形とも言える名作です。

・Color Spelling
色のスペリングで、お客さんが選んだカードが残る。
絶対そうなるようにしか見えない手順です。

・At 100 “Pair” Cent
カットしたところから同じ色のカードが出たり、出なかったりする。
出なかった場合の手続きが意味不明で、現象として成り立っていません。

・Right – right – right – right, again!
配ったカードの残りの枚数が当たる、4段構成の数理トリック。
原理はちょっと面白いですが、ケースバイケースに見えてしまうアンラッキーパターンになる確率が高くて使いにくいです。

★・Yes, David, I Will!
デックを2つに分けてそれぞれシャッフルするとトップが一致する。
David Altman「You Won’t Believe It!」へのアンサートリックだそうです。
すごい。たぶん原案の原理がすごいんだと思いますが、こんなことが成立するとはびっくりです。
原案はESPデックで、それをトランプのフルデックにした改案ものということですが、確かにフルデックならではの良さが出ていますね。

・Diamond Speller
ダイヤのカードを使ったスペリングトリック。
シンプルで面白いです。

・E-Z Elmsley
チャンスとチョイスのアレンジ。
いやいやいやそれを使うならここまで冗長な手続きにならんやろという感じです。

・The Equation of the Eighth Degree
必ず等式が成り立つ厚紙。
そういう式というだけです。

・EZOP
数字を予言するオープンプリディクション。
冗長ですが原理は面白いです。

・4tuitous
4をフォースする数理的手法。
バリエーションも含めて、手続きが一貫した面白い原理です。

・The French Card Trap
12人までの観客にカードを配って演じるサンドイッチトリック。
不特定の大人数に対応できるという特徴が面白いです。

・The Gap
電卓を使ってカードを当てる。
算数という感じで良いです。

・The Monge/Slop Shuffle
モンジュスロップシャッフルの説明。
もはやパズルですが、パズルとしては面白いです。

★・The Phoenix Deal
カードを混ぜても混ざらない。
『da capo 1』の「Unconventional Card Dealing」のアレンジで、かなり好きです。

★・Around the Clock
ESPデックを使った時計モチーフのトリック。
名作です。今何時?みたいな予言にもアレンジできます。

・ESPuzzling
ESPデックを使った2人のお客さんに演じるカード当て。
手続きに違和感がありすぎて使えません。

・Klondyke ESP
ESPデックでごちゃごちゃやると、避けておいた1枚と、2組のペアが全て同じシンボル。
所謂シデンタクイン現象のバリエーションとして面白いです。
別バージョンも書かれていますが、そちらは成り立たないケースがあるような気がします。

・The Judgment of Paris
神話に基づいたイラストカードのマジック。
『ear marked』の「Il Tuo Ferrari」のベリエーションで、ほとんど成り立っていないです。
ただ、スペリングでなくモーラで数えるというのは珍しい気がします。

・A Flexible Number Force
カードを使った色々な数に対応できるフォースの計算方法。
原理は面白いので、何かに使えないかなあという感じです。

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