2024年8月6日火曜日

レビュー『da capo 3』

Werner Miller『da capo 3』のレビューです。


今回は原理的に面白いものが多かった気がします。

中身をレビューしていきます。面白かったやつには★マークを付けます。


・Questa poi!
カードの枚数で、選ばれたカードのランクを当てる。
そうなるように調整しているだけという感じです。

・Sandwich Sympathy
ジグザグディールで端以外の順を逆にする原理。
原理は面白いですが、使い方が上手くないです。

・Squaring the Cards
カードの枚数に関係する魔方陣の作り方。
そうなるように作った魔方陣という感じです。

★・Partner Swapping
クイーンとキングをペアにならないよう重ね、ごちゃごちゃやるとペアになる。
ソートのアルゴリズムという感じで、使いようによっては面白そうです。 

・That Ace of Clubs!
覚えた2枚のカードをスペリングで取り出す。
シンプルな原理で悪くないです。

・Three Chances
6つの封筒で、お客さんが外れを引き続ける。
ダックアンドディールの亜種という感じで興味深いです。

★・Two to Toulouse
ESPカードを使ったタンタライザー。
枚数の異なるパケットを使うのは面白いです。

・Pointing the Way
矢印カードを使ってサインカードを見つける。
技法に無理がありますし、もうちょっとやり方があっただろうと思います。

・Australian Zodiac
12星座のカードを使ってお客さんの星座を当てる。
その1は普通。その2は9回アンダーダウンをやるのがつらいです。

・Diamond Speller II
da capo 2 のDiamond Speller のバリエーション。
全3段なのはすごいですが、3段目の現象が一番地味で厳しいです。

・Everyone’s a Wizard
スペリングで覚えたカードが出てくる。
ナインカードプロブレムのバリエーションです。

・Right there!
デックを半々に分けて、特定のカードだけ一致したりしなかったりする。
原理は面白いですが、確認するときに不自然なものが見える気がします。

★・Fetsch + Hofzinser
ホフジンサープロブレム8番のアンサー。
原理がすごい。おもしろいです。

・Ask the Cards!
サイコロとスペリングでお客さんのカードが出てくる。
原理は面白いですが、ちょっと手続きが恣意的な気がします。

・Magic Is Easy
絵札を使ったスペリングトリック。
そうなる言葉を選んだだけです。

★・Split Personalities
絵札だけ切断した特定のスート13枚を使った手順。
原理が面白いです。
最初は切断ってなんやねんと思いましたが、クライマックスにも活きる良い案でした。

・A Salute to Aberystwyth
ESPデックで成立する原理の紹介。
当たり前では?と思いきや、ひょっとしてここで言及されているStewart James の原理が初出ということか。

・About Turn!
10枚の次札で成立する原理の紹介。
ファローシャッフルの良い性質。

・Trikolore
「About Turn!」のバリエーション。
3色のカードを使ったオイルアンドウォーターっていうところだけ斬新ですが、面白くはないです。

★・Club Speller
クラブの字札10枚を使って、スペリングでカードを見つける。
この原理めっちゃ好きです。でも手順がちょっとおしい。

★・Watch the Joker!
ジョーカーを使ったスペリングでカードを見つける。
この枚数でこの原理は面白く、手順もシンプルで良いです。

★・Cupidity
カップルの名前を書いたカードを、キューピッドが次々ペアにする。
やりすぎるとくどいですが、良い原理です。

・Escort Agency
「Cupidity」をトランプで演じるアレンジ。
トランプでできるのは良いですが、それにしても手順がしっちゃかめっちゃかでもったいないです。

・Without Cupid’s Help
カップルのカードでやるタンタライザー。
ふつうです。

・Starring the AC
覚えたカード2枚とクラブのエースがスペリングで出てくる。
枚数や使うカードの理由付けが欲しいところです。

・Mix and Spell
スペリングに関する2つの手順。
1つ目はふつうですが、2つ目はごちゃごちゃしすぎで使えません。

・The Seventh Card
Aを4枚、Kを4枚使って、特定のランクを取り出すと思いきや、違ったり、取り出さなかったり。
変な現象です。途中、そのくだりはいらないのでは?という部分があったりします。

★・Misto
5枚のカードで成立する原理の紹介。
知らなかった。すごい。

★・Et Vice Versa
セルフワーキングっぽい感じで、演者も観客もカードを見つける。
本来成立しないはずの数理トリックを、手順の工夫で成立させているのが面白いです。
Werner Miller の作品集で、手品っぽい手品を久しぶりに見た気がします。

・Placebo
ソリティアっぽい謎のゲーム。
謎のゲームなので、説得力が無いです。

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