Werner Miller『Last Tricks Without Names』のレビューです。
TWNシリーズはトリロジーだと思っていたのですが、ここにきて最終巻が出ました。
各巻のレビューは以下です
最終巻もLybraryで無料です。
今回のレビューでも、良いかも知れないものに★マークをつけました。
主に数理的な操作の拡張にチャレンジした作品が面白かったです。
#61
9枚のカードで魔方陣を作る方法。
手品でないので省略。
#62
スタンドアップのタンタライザー。
悪くはないですが、手続きが面倒です。
#63
覚えたカード2枚を見つける。
ちょっと操作に無理がある気がします。
★#64
クロンダイクシャッフルでお客さんのカードを見つける原理。
仕組みは面白いです。見せ方次第で化けると思います。
#65
13枚のカードを使って、スペリングでお客さんのカードを見つける。
セリフ回しをちゃんと工夫すれば見れたものになるかもしれません。
★#66
赤いカードと黒いカード、あとジョーカーを使って、スペリングで指定したカードを取り出していく。
現象は面白いので、ごちゃごちゃせずシンプルに演じると使える気がします。
バリエーションの2がシンプルで使いやすいかもしれません。
#67
【内容】
12枚の絵札をごちゃごちゃすると、最初の並びに戻る。
操作がすごく変で、ムリヤリ感がすごいです。
#68
【内容】
Aから7のカードをごちゃごちゃやると、もとの並びに戻る。
操作はちょっと変で、現象も弱いです。
2セット使うバリエーションは、手続きは長くなりますが入れ替わる現象は良いですね。
#69
先ほどの#68のバリエーション。並びがすべて入れ替わる。
これもありです。並びが同じになるバリエーションは良くないです。
★#70
6枚のカードである操作をして、お客さんのカードを見つける。
既存の数理的な操作を拡張して、何に使うか分からない操作にしています。
この拡張はまさに数学屋。あっぱれWerner Miller という感じ。最高。
★#71
先ほどの#70の、枚数を変えたバリエーション。
原理を抽象化すれば色々できるよねという実験ですが、特に10枚のバリエーションは使い勝手が良さそうです。
#72
ロールオーバーを用いたタンタライザー。
ちょっと意味不明な動きが目立ちますが、ちゃんとやれば多少は良くできそうです。
#73
ESPデックを使った#72のバリエーション。
フルデック使わないのもあって、ESPの良さがあまり活きていない感じがします。操作もさらにごちゃごちゃになっています。
#74
ESPデックで、2ペアのシンボルを一致させる。
10枚ESPカードの手順ですが、ただただ何がしたいのか分からないです。
#75
ESPデックでロールオーバーを使って2ペアのシンボルを一致させる。
途中の配り方に違和感がありすぎて、恣意的な手順にしか見えません。
★#76
ESPデックで「スクエアディール」という配り方をして、シンボルを一致させます。
面白い性質です。この「スクエアディール」事態にまだまだ研究の余地がありそう。
#77
【内容】
ESPデックで3つの山に配ったときの性質を使ったアイデア。
考えて見れんば当たり前だけれども、使えるかもしれない性質です。
★#78
先ほどの#77を4つの山にしたバリエーション。
こちらのほうが使えそうで、スクエアディールとの相性も良さそうです。
#79
ESPデックでスペリングを使ってお客さんの選んだシンボルが出てくる。
どうしてそうなった。素直に#77、#78の手法を使ったほうが良いです。
★#80
【内容】
1月から12月のカードと、追加で1枚の「幸運のカード」を使ったパケットトリック。
操作と現象の繋がりが直感に反していて面白いです。
少し操作を変えたバリエーションが書かれていて、そちらのほうが良いと思います。
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