Werner Miller『Further Tricks Without Names』のレビューです。
TWNトリロジー(そんな呼び方をしているのは私だけ)の最後の巻です。
1作目『Tricks Without Names』のレビューはこちら。
2作目『More Tricks Without Names』のレビューはこちら。
もちろん今回もLybraryで無料で手に入ります。
そしてもちろん全部読んだので、レビューしてみたいと思います。
良いかも知れないものに★マークをつけました。
今回は、原理が面白いなあというやつが結構あった気がします。
#41★
ESPカードを配り分けると、同じシンボルが集合する。
循環構造を保つ仕組みの面白いアプローチで、応用の幅がありそうです。
#42
ESPデックをごちゃごちゃやって、同じシンボルを取り出す。
並びが一致する仕組みは面白いですが、見せ方がちょっと微妙かなという感じです。
#43
ESPカード10枚を使って、ペアを作ったり、お客さんの選んだシンボルを見つけたりする。
良いプロットですが、操作が特殊すぎてそのままは使えません。
#44
ESPカード10枚を使って、冗談を交えながらペアを作ったりする。
設定に無理がありますが、テイクワンからステイスタックを作る手法としては悪くないです。
#45
ESPカードを階段状にディスプレイして、お客さんの選んだシンボルを見つける。
都合の良い位置へコントロールするためのディスプレイの一種という感じです。
#46★
15枚のESPカードが整列する。
ファローシャッフルによる特定の位置のカードの挙動が、15枚のESPカードと非常に相性が良く、なおかつ循環構造も保たれるという、面白い原理です。
#47
ESPデックで、3枚のカードのシンボルが一致する。
操作が恣意的で良くないです。
#48
ESPデックから1枚選んでから、残りのカードをみんなに配り、みんなで同じ操作をすると、最初に選ばれたカードのシンボルがみんな出てくる。
この変な配り方に根拠が欲しいところですが、原理は面白いです。
#49
ESPデックを使ったタンタライザーで、2組のカードのシンボルがそれぞれ一致する。
捨て方が特徴的なタンタライザーですが、そうなるように配っただけ感が強いです。
#50
ESPデックを使ったタンタライザー。
ある意味#49のバリエーションですが、さらに無理があります。
#51★
ピアトニックESPデックを使った嘘発見器。
変形アンダーダウンの原理を上手く使っています。面白いです。
しかしピアトニックESPを使う必要があり、その割にセットの偏りがひどいです。
実は日本語ならもっと上手くできるので、上手く応用することで化ける手順です。
ピアトニックESPデックから20枚を使って、選ばれたカードを当てる。
原理的に20枚だと上手く機能するのかと勉強になりました。
トランプでやるバリエーションが解説されていますが、実はそっちのほうが良いです。
#53
絵札をごちゃごちゃやって、ロイヤルマリッジを作る。
循環じゃないのになんで機能するの!?って一瞬思ったのですが、なるほど構造は循環じゃないのですね。感心しました。
もうちょっとシンプルにできる気がします。
途中で変なことをするのがダメすぎで、これは原理として成り立っていないと言って良いと思います。
変形アンダーダウンの原理の模範解答のような使い方で、名作です。
日本語でもできますが、確かに英語のほうが良いですね。完成されています。
7枚のカードをごちゃごちゃやると、覚えたカードが残る。
原理の一般化ができれば何かに使えそうですが、一般化するとどうなるんでしょう。気になります。
次は『Enigmaths』シリーズか『da capo』シリーズを読みたいですね。
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