2020年12月31日木曜日

Aldo Colombini 『ESP Card Magic』まとめ




Aldo Colombini の映像シリーズ『ESP Card Magic』全20巻のまとめです。


1巻あたり10作品が20巻分、合計199作品(実は重複があります)を見て、手書きノートにまとめました。
その中で、良いなと思ったものにはマルを、特に良かったものには二重マルを付けてまとめました。
ここでは特に良かったという二重マルの作品だけピックアップしてまとめます。

二重マルが10作品ぐらいあれば御の字かなと思ってたら、最終的に25作品に二重マルがつきました。

1巻から順に、手元のノートと合わせて巻ごとに、作品の番号は通し番号でまとめます。

すべての巻で、最初にESPカード(ESPデック)に関する基礎事項と基本技法の解説があります。


Vol.1 Nick Trost Part.1

4: A Matter of Design (Nick Trost)
1枚を予言として取り出し、残りのカードで演者と観客が同じ操作をすると、予言のシンボル5枚が集合します。セット無しで演じることができる、非常に便利でシンプルな、かわいらしい手品です。
13巻「124: Triple Match By Design (Nick Trost)」が、ちょうどこの作品がシンプルになったもので、手順も楽になっているのですが3枚しか集合しないので、僕はこちら(4)の方が好みです。


Vol.2 Nick Trost Part.2

14: Eliminator (Nick Trost)
1枚を予言として取り出してから、デックの上半分ぐらいを観客に持ち上げてもらい、その分からある操作で(エリミネートと言っていて、あまり知らない操作でした)カードを取り除いていくと、最後に残った1枚が予言と一致します。操作が独特の動きで気になりそうなのですが、同じ効果のある別の操作で代用できるので、その辺を調整すればスッキリしそうです。


Vol.3 Howard Adams Part.1

21: Cidentaquin (Howard Adams)
1枚選んでもらい、残りを2つのパイルに分けて上からペアを確認していくと、2ペアだけ一致、それが選んでもらったシンボルです。これをもう「シデンタクイン現象」と言っても良いくらい、ユニークかつ分かりやすい名作です。ハワード・アダムスの代名詞的な名作みたいなのですが、初めて知りました。このバリエーションもちょいちょい出てきます。


Vol.4 Howard Adams Part.2

34: Quartest (Howard Adams)
1枚選んでもらって封筒に入れます。残りのカードから4枚、お客さんと一緒に選んで行きますが、4種類のシンボルとなります。そこにないシンボルが、封筒に入れられたカードのシンボルです。
4枚も選ぶのか!と思ったのですが、それらが全部違うシンボルというのはちょっと興味深く、カード当てを試みるけれども念の為4枚選んでおいたら、全部外れるという演出ならアリかもしれないと思いました。

40: Cidentaquin Plus Three (Howard Adams)
3巻「21: Cidentaquin (Howard Adams)」の続きに演じられる手順で、インパクトはそんなにないクライマックスですが、普通に全然追えないので、手品人相手に演じるオマケとして覚えておいて良さそうです。


Vol.5 Various Authors Part.1

45: Perfect Match (Magic Ronnay)
10枚のカードを使う手品です。1枚選んでもらったあとクロンダイクシャッフル、これを繰り返すと5つのペアができあがります。
シンプルで短い手順なので、ESPカードの手順でしばしば使われるクロンダイクシャッフルの練習として良い作品です。

46: Double Cross (Aldo Colombini)
10枚のカードを使う手品です。5枚を置いておき、残りの5枚のうちから選んでもらったカードが予言されていたと言いますが、外れます。が、実は意外な形で予言が当たります。
これは特殊なカードを使いますが、17巻「166: Envelope And ESP (Aldo Colombini)」がこれと似た作品で、ESPカードのみで演じられます。が、そちらは1デックだけでは演じられずデュプリケートが必要なので、ならいっそこっちの方が面白いと思いました。
ラフィングカウントという技法を使いますが、全然知らないカウントでした。

47:Psycloid (Max Maven)
1枚を予言として取り出し、サイコロを振ってもらいます。出た目に従ってカードを取り出していくと、現象が起こります。この現象をどう説明するかが問題で、日本語で上手くお話を作れれば面白いと思いました。


Vol.6 Various Authors Part.2

該当なし


Vol.7 Nick Trost Part.3

64: Five-Way Coincidence (Nick Trost)
カットしたりひっくり返したり、色々したら1種のシンボル5枚が集合して出現します。
なんとなくESPカードでありがちな現象が、まあ起きるもんなんだろうなあと感じるのですが、よくよく考えるとそうはならなくない?と思える、不可能性の高い現象です。解説見てなるほどと感心しました。


Vol.8 Howard Adams Part.3

76: Straight Curve (Howard Adams)
シンボルを直線シンボルと曲線シンボルに分けて考え、演者と観客でゲームをします。まず1枚取り出してそこに予言を書いておくと、ゲームの結果が予言と一致します。
ユニークで面白いのですが、1枚取り出してそこにペンで直接予言を書き込むというのがちょっとハードル高い……でも基本的にはその必要があるので、実際にやるかと言うと難しいところです。


Vol.9 Werner Miller

88: Around the clock (Werner Miller)
予言のカードを1枚別に準備しておきます。1枚選んでもらい、残りを2枚ずつ時計の文字盤状に配置していき、予言のカードを見るとそれは時計の文字盤です。針が指している2つの位置(例えば5時50分なら5と10)のペアを見ると、それらのペアだけが同じシンボルで一致して、他の位置のペアは一致していません。一致したペアがまさに、選ばれたシンボルです。
25枚のデックから1枚選んでもらい、残りを2枚ずつ配ると12ペアというのと、時計というモチーフがマッチしていて、良い手順だと思いました。


Vol.10 Howard Adams Part.4

97: Texas Rangers (Howard Adams)
10枚のカードを使います。☆のカードをテキサスの保安官(星のバッチだから)に例えて、とある事件の犯人を探します。容疑者を2人に絞ったところで☆のカードを見ると、2枚の☆に2枚のカードがはさまっています。なんと、テキサス保安官はもう犯人を捕まえていたのでした。
お話が面白く、ユニークな現象で好きです。荒木一郎「7人の容疑者たち」(Richard Vollmer「Mystery of the 7 Suspects」)みたいな感じ。



Vol.11 Nick Trost Part.4

102: Sym-Sational (Nick Trost)
観客にデックをいくつかにカットしてもらい、そのボトムを次々に当てていきます。
13巻「125: Symbol Sence (Nick Trost)」もとても似ていますが、応用性の高いのはこっちかなと思います。

107: Metaphysics Update (Nick Trost)
2人の観客に異なる数字を言ってもらい、その分配ったパケットのボトムと、その後でまたカードを配ってストップと言ってもらったカードが一致します。
異なる数字というのは厳密でちょっと違っていて、そこは微妙ですが、結構シャッフルしている感じがあった上で起きる現象なので結構不思議です。

109: Ultra-Die Prophecy (Nick Trost)
予言をしておき、サイコロを3つ振って、出た目の合計分カードを配ると、そこで出てくるカードが予言と一致します。
予言は別のデックから持ってくるか、メモ帳などに書くという方法で行う必要がありますが、めちゃめちゃ不思議です。


Vol.12 Various Authors Part.3

114: Quadrigia (Werner Miller)
20枚のカードを使う手品です。まず4枚取り出して、残りを8枚ずつにして、それぞれでダウンアンダーを2回やると、その4回でラストに残ったシンボルが、最初の4枚と一致します。
めちゃくちゃ面倒くさいからまずやらないけれども、原理は面白いです。


Vol.13 Nick Trost Part.5

121: Design By Accident (Nick Trost)
10枚を1列に配っていき、1〜10で好きな数字を行ってもらい、その番目のカードを出しておきます。残りのカードを配り分けて行くと、出しておいたカードと同じシンボル4枚が出現し、1種5枚が集合します。
大胆かつ巧妙な方法で、簡単に集合現象を実現しています。

130: Symbologic (Nick Trost)
5種のシンボルを1枚ずつ、演者と観客が持ち、順番に出して行きます。演者が先に出し、そのあとに観客、なのに1〜5枚目のカードがすべて同じシンボルです。
厚川昌夫「サイコ」みたいな現象で、余計な操作をせずにアンラッキーパターンが無いよう上手く実現しています。古典になる名作。


Vol.14 Various Authors Part.4

該当なし


Vol.15 Howard Adams Part.5

141: Quincidenta (Howard Adams)
3巻「Cidentaquin (Howard Adams)」のB面とでも言えそうな作品で、一気に5枚が集合せず異なる操作を挟むので、なんとなく大味になってます。どちらも名作だと思いました。


Vol.16 Various Authors Part.5

該当なし


Vol.17 Various Authors Part.6

163: That's The One (W.Rory Coker)
4枚の予言を取り出しておき、観客に1枚選んでおくと、それが予言と一致します。
予言4枚を全部演者が取り出しているので実際はただの予言マジックなのですが、なんとなく1種5枚が集合している気がして良いです。でも、最初の段階でなんで4枚?という疑問は感じてしまいます。

168: Countdown To ESP (Aldo Colombini)
数枚のカードをデックから取り出し、それとは別に1枚予言を取り出します。カードに1-2-3とおまじないをかけますので、その1と2と3でのおまじないのかけ方を説明します。お客さんにおまじないをかけてもらいますが、ただしその順番は、3-2-1でも、1-3-2でも、2-3-1でも、何でも良いです。自由な順でおまじないをかけて貰いますが、最後にトップにあるカードが予言と一致します。
すごい。めっちゃ不思議。


Vol.18 Werner Miller Part.2

該当なし


Vol.19 Werner Miller Part.3

184: ESPecial Countdown (Werner Miller)
1枚選んでもらったあと、デックから数枚のカードを配って使います。好きな数字からカウントダウンしていくと、選んでもらったカードと同じシンボルのカードがトップに来ます。
一種のスペリングトリックですが、このスペリングで上手く行くのか……?と不思議に思える原理でした。


Vol.20 Howard Adams
    Werner Miller
    Nick Trost

194: One See (Howard Adams)
6枚のカードを配って、次のカードを予言にします。予言のカードを表向きに、6枚の中ほど好きなところに差し込んでもらい、ある操作で1枚のカードを選ぶとそれが予言のシンボルと一致します。
若干のイレギュラーパターンが上手に処理された良策です。

195: No Big deal (Werner Miller)
少ない枚数で行う、セルフワーキングのトライアンフっぽい現象です。
ESPカードでのトライアンフって珍しく、セルフワーキングで手続きも自然なので二重マルにしました。

199: Coincidence By Design Ⅲ (Nick Trost)
1枚を予言として出しておき、残りを2パイルに分けて、いわゆるカウントダウンフォースを2回行います。それで、予言と同じ1種5枚のシンボルが集合します。
カウントダウンフォースは個人的に好きではないのですが、2回で5枚集合させてしまう方法が面白かったです。セットも楽で、カウントダウンフォースのお手本みたいな手順だと思いました。


3巻と20巻に収録されている「Predicnic(Howard Adams)」は同一作品で重複しています
なので、合計199作品のうち、良策だと思った25作品をまとめました。

この中での個人的、ザ・ベストな作品を選びたいと思います。
この作品を見た瞬間に、もうこれだと思いました。

17巻「168: Countdown To ESP (Aldo Colombini)」
です。

シャッフルされた状態から始められるので、もしESPデックでなんかやれって言われたらこれをやります。
2位、3位を選ぶなら、順不同で
1巻「4: A Matter of Design (Nick Trost)」
10巻「97: Texas Rangers (Howard Adams)」
ですかね。これらもぜひ演じたい。

これから見てみたいけれども、全20巻はちょっとな……という人には、まず1〜5巻をオススメします。
あとオススメ巻はまず「141:Quincidenta (Howard Adams)」狙いで15巻、あとは17巻、20巻あたりかな。もっと見たいならまあ全巻いっちゃって良いと思います。




最後に、ここまでで挙げていないワースト作品を書いておきます。
怖いもの見たさの方は↓↓↓どうぞ。



























16巻「160: Star Choice (Arthur Setterington)」
予言の紙(でかい)が置いてあります。5種類のシンボルから1枚選んでもらいますと☆です、予言を見ると……ジョン・ウェイン(映画俳優)の写真です。彼は映画界の"スター"だね。
フォースの方法も斬新ではなく、なんならキツいです。手書きノートには「ふざけるな、まじめにやれ」って書いてありました。

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