手品とは関係ないですが、暗黒通信団さんの「円周率1万桁表」を点訳しました。
2020/1/29 追記
サピエ図書館に登録されました!
点字といえば、「円周率1万桁表」を持って寄贈するから点字にしてくれと点字図書館@高田馬場にいったことがあるのだけど、需要がないとか言って却下されて。でも何が点字化されてるのか見てたら、すごく偏ってて、保守的だなぁと思った記憶がある。円周率表点字版、需要あると思うんだけどなぁ…— 暗黒通信団【公式】💙 (@ankokudan) December 17, 2019
こういうお話を聞いたので、じゃあやろうじゃないかと。ようやく完成しました。
一番悩んだ点は「何をもって点訳なのか」「点訳とは何か」でした。円周率が1万桁書かれた点字資料を作ることは簡単なのですが、それは教材プリントであって点訳された書籍ではない。最終的にはサピエ(点字図書とかダウンロードできるところ)に入れさせて欲しいので、ここをじっくり考えました。
普通の方法では点訳するのが難しい本(絶対ミスが入る)なので、悩んだ結果、背表紙を裁断機で落としてドキュメントスキャナでpdfにしてOCRでテキストにしました。そのテキストデータを、OCRで生じた細かいゴミを取り、点訳に都合の良い形にするため、シェルスクリプトなんかを作ってほぼ自動的に成型できるようにしました。円周率部分の校正は、実際の円周率と照合することでやったことにしました。
これでようやく「一般的な点訳」の土俵まで持ってくることができました。あとは点字編集ソフトで表紙や奥付を作り、細かい部分を整えました。
これなら文句なしに「墨字図書の点訳」でしょう!
円周率1万桁表という本はどっちかというと珍書の類で、この本で「円周率の5382桁目は何だったかな」とか調べる人はそういないと思うのですが、だからこそ盲学校の図書室やサピエの目録でたまたまこの本を見つけた方が「なんだこれ……」と興味をもって下さったら最高だと思って点訳に踏み切りました。
なんか、僕が本屋で暗黒通信団さんの本を初めて見つけたときの気持ちがそんな感じでした。需要があるから点訳するんじゃなくて、なぜか点訳されているような本にたまたま出合う、っていうのも本の良さじゃないかなと思います。
というわけで、完成しました。次の目標はサピエで取り扱ってもらうこと!
2020/1/29 追記
驚くべきことに、サピエ図書館に登録して頂けました!
校正やレイアウト調整、登録の作業まで全部お願いしてしまいましたが、快く引き受けて下さり、本当に感謝です!
万博( @bampaku )さん作成、牧野貴樹『円周率10000.00桁表』(暗黒通信団、2016)点字データをサピエ図書館に登録しました。— 6dts (@6dts) January 29, 2020
全1巻108ページ、点字データ番号 N0508739 #点訳 #サピエ図書館 #点字 #円周率表 #暗黒通信団 https://t.co/ht001KsKfT
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