2021年5月26日水曜日

レビュー「スグスチェニアスローカード」

マジックマーケット2021春にて頒布された、さも/Samo ブース「スグスチェニアスローカード」のレビューです。

カードをペッってやったら変化する技法です。
投げて変わるカラーチェンジや、無造作にカードを投げ出す動きでスイッチしたりするのに使えて、それぞれ「スグスチェンジ」「スグスイッチ」と名付けて解説されています。

手法自体は(たぶん)ジャン=ピエール・バラリノのものと似ていますが、こちらは飛距離を求めてはいなくて、あくまでカードを投げる自然な動きの中で何かする試みです。
ショットではなくてスローである、という感じが見受けられますね。

固定された角度からの視点にバキバキに強くて、動画時代の技法という雰囲気がします。
この感じ、何かで見たことあるな……と思っていたのですが、コンテストでクロースアップをプロジェクターを使って大写しで演じているやつあるじゃないですか、あの感じがします。
学生マジックなんかだと、ステージ演者とクロースアップ演者が混在した発表会で見られましたね。
かつては大き目のコンテストに出るとか、そこそこの規模のクロースアップマジックショーとでないと一般的には馴染みのないシチュエーションでしたが、動画で手品を投稿する時代になってきて、身近なものになってきたのですね。
だからこそ、これからどんどん需要が出てくる技法だと思います。

レストランのホッピングとか気の利いた場所でやると、この人すっげぇトランプ投げるなって思われそうですので、場面と人を選ぶ技法だとは思いますが、何かしらクリティカルに使える瞬間(それこそ動画とかコンテストとか)というのがありそうですね。

今後に期待したい方向性です。それは決して「スグスチェニアスローカード」が未完成なのではなく、さもさんが「スグスチェニアスローカード」という完成された技術を世に出したからこそ、他の可能性もどんどん切り拓いていって欲しいなという思いです。

特定の角度にだけ異常に強い手法が「角度魔法」とか「(動画では可能だが)実演はできない」とか言われていた時期も有りましたが、こういった動画の手品をバチクソに映えさせる手法の研究は最近ちらほら見ますし、それらがどんどん進化していく過程をリアルタイムで追いかけられるのって、とても楽しいですよね。

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