マジックマーケット2023春【うそのたばこ店】「手品をせずに手品師を装う方法」のレビューです。
大川原脩平さんによる、手品をしない方法の解説です。
マジックマーケットというのは手品に関係するものの即売会なわけですが、手品をしない方法というのは逆説的に考えれば手品に関係するものという基準をクリアしているというわけですね。そうかな。
まあでも、例えば、所謂「ヘンペルのカラス」の論法はその証明過程においてカラスは一匹も観測しないにも関わらず、カラスにまつわる議論として認識されているわけで、手品をしないことによって手品に関係するということも有って良いでしょう。
では本当に、この文中では何も手品をしていないのでしょうか。
これは、私はなんとなく、もしかしたら手品してるんじゃないかなと思うんですよね。
文中で解説されている手品でない何かは、まあ確かに手品ではないのですが、なんかこういうのを手品と言い張って演じるマジシャンっていますよね。
そういう感じで手品だと言われると、いやー手品じゃないでしょそれはと思うのですが、こう、手品ではないですと言われて紹介されると、そうかな?と思ってしまったりします。天邪鬼ですね。
でも冷静になって読み直すと、やっぱり手品はしていません。
本文中で引用されている本は、もう絶対これは存在しない本だろうと信じていました。
しかし、本文中で紹介されているマジシャンの名前が存在する人だったので、ひょっとして本も……?と思って調べてみたら、なんと存在する本でした。騙された。
大川原さんはこの作品を大体3時間くらいで書いたそうです(そういうコンセプトみたいです)。
たった3時間でこんな文章を書きあげるなんて、大川原さんがいかに人並外れた鬼才なのかがよくわかりますね。私はこのレビューをかれこれ2時間ほど書いています。凡人はこんなもんです。
もしも今あなたが、あなたの部屋に有るものを10個挙げなさいと言われたら、あなたの部屋を観察するか、あるいはあなたの部屋を頭の中に思い浮かべると思います。しかし、あなたの部屋に無いものを10個挙げなさいと言われても、やはり同様にあなたの部屋を観察するか、あるいはあなたの部屋を頭の中に思い浮かべると思います。
そんな感じで、手品は書かれていないにもかかわらず、逆説的に手品に触れられる作品でした。面白かったです。
実は既刊の作品「楽しげに鼻息でゴム手袋を膨らませる方法」も前回に買って読んでいます。こちらはシンプルにゲラゲラ笑いながら楽しみました。
次回作も楽しみにしています。
ここまで2時間半ですが、そろそろ限界なのでこのへんで終わりにします。
妙なレビューになってしまってすみません。服を脱いででかい声を出すので許してください。
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