Juan Tamariz 『Letters From Juan Volume 1』 のレビューです。
タマリッツの新作が読める小冊子シリーズの第1巻です。
すでに2巻まで手元にあるのですが、やっと1巻を読んだのでレビューします。
・The Shovel
スペードのエースをシャベル(関西でいうスコップ?)に見立てて行うカードマジックです。
カード当てというよりカード探し、あるいはカード見つけといった具合で、コミカルな設定付けが個人的には結構好きです。昔ドリームキャストで、湯川専務の宝探しみたいなゲームがありましたよね。それを思い出しました。
シャベルに見立てることで技法の動きに根拠を付けています。それ自体は賢い方法だと思うのですが、きちんとシャベルに見立てた動きであの技法をやろうとすると、相当上手くないといけない気がします。
タマリッツのあの技法の動きも、私が知る限りだとシャベル感はそこまでない気がするのですが(関西でお好み焼きをひっくり返す道具の、テコみたいな感じ)、実際に演じる際は動きを調整しているのでしょうか。
簡単そうに見えて、実際にやるとなると難しい手品だと思いました。
・Color Separation Finale
ネモニカを使った手品のラストに付け加えられる、カードの赤黒が分離するクライマックスです。
赤黒が分離というと、[赤のまとまり][黒のまとまり]みたいになるイメージですが、そうではありません。ここが賢いと思いました。
このクライマックスに持っていくためにやらなくてはならないこと1つ1つに意味を持たせ、怪しい動きを行わずに現象を実現しているのですが、もしも[赤のまとまり][黒のまとまり]にしようと思えば(あとほんの少しでできるのですが)無駄な動きが追加されてしまうので、あえてそうしないのでしょう。
考え方が勉強になりました。ネモニカを使った手品をよく演じる人なら有用なアイデアだと思います。
・The Rainbow Knife
カラーチェンジナイフのおしゃれな手順です。
まずカードマジックの小道具としてナイフを使った後、カラーチェンジナイフを演じるというのは、なるほどなあと思いました。
手順はと言うと、使う道具もなかなか入手が難しそうで、ハンドリングもまあまあ難しいと思います。
キザな語り部のような演技が似合う演者にはぴったりの手品だと思います。
・Pure Olive Oil and Water
ビジュアルなノーエキストラのオイルアンドウォーターです。
手法もディスプレイも独特で、かなりマニアックだと思います。
手順は、追ってみるとなるほどなあという感じなのですが、実際に演じるとなるとかなりビクビクしてしまいそうです。簡単ではないです。
以上4作品が載っています。
日本国内ではMAJIONで取り扱われていたのですが、売り切れになっていました。
※また入荷してました。
タマリッツファンにオススメです。2巻も楽しみです。
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