2013年5月21日火曜日

3冊目~「喋る」ということについて~


学生マジシャンに読んでほしいこの10冊、3冊目です。
今回は「喋る」ということについて。

話術
徳川夢声 著
白揚社
¥1,890





学生マジシャンの中で舞台演者に当たる人は、大きく分けて2種類の演技スタイルに分けられます。
1つが、喋らずにサイレントで演技をするスタイル。もう1つが、舞台上で喋るスタイル。

喋るスタイルの人は学生マジックだと、サロン演者とかメンタル演者とか呼ばれたりしますが、別にそういう演技をする人とは限りません。
いまここで話題にしたいのは舞台で「喋る」という大変さです。


喋るスタイルの演者さんは、舞台上で言葉を発する理由として「その方がやりやすいから」「喋る方が得意だから」とおっしゃる方が多いです。

しかし実際は、サイレントでやると上手くいってる気がしないけれども、
喋ると何となくできてる気がする、という方も少なくないはずです。

これが、危険なんです。
自分ではなんとなく、サイレントと比べるとできてるような気がしているけれど、ひどい喋りの演技になっている場合も多いと思われます。

喋るということは、呼吸、発声、発音はもちろん基本として、その言い回しや抑揚、緩急、間、それから喋る内容の脚本構成や、場合によっては他の演者さんやお客さんとの掛け合いなど、こなすべき課題はサイレント以上に多いです。

しかも、サイレントでやるならそういった喋りに関することは必要ない反面、喋る演技では表情や体の使い方など、サイレントで基本となる部分もこなさなくてはいけません。

喋るというのは言葉に逃げるというわけではありません。サイレントの演技で基本的な部分を体系的に学ぶ必要が有るのと同じように、喋りも体系的に学ぶ必要があります。

しかし、舞台話術の基礎を学んでいる喋り演者は意外に少ないのではないでしょうか。
それもそのはずで、舞台話術について体系的に整理された本は意外に少ないのです。

今回紹介した本は、舞台話術の基礎がしっかり書かれた数少ない本です。いささか古い本ですが、喋りを学ぶ最初の一歩として学べることは多くあります。
この本で基本を整理した上、たくさん経験を積めば、自然と自分の喋りが構築されて行くのではないかと思います。 

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