2013年5月16日木曜日

2011年9月、文化祭にて



旧ブログの記事を編集してお届けします。
2011年10月8日(土)に行われた盲学校マジックショーの記録です。




~新ネタを引っさげて!~



さてさて、盲学校の文化祭でマジックして参りました。
写真は入校証のひまわりです。

今回は、新ネタ3つを引っさげて4ネタ演じてきました。
つづきで、どんなネタを演じたのか、ちょっとマジシャン向けに解説しています。

総じて、とてもウケは良かったです。
もちろん反省点もたくさん有るので、次に向けてどんどん改良していきたいです。

1:予言のマジック



野島伸幸さんの235プリンシプルを、橋本昌也くんがアレンジしたシンプルな作品。
カードに点字を打つことで、全盲の方にもわかるようにして演じました。
色々問題点もありましたが、1つの可能性として大いに躍進できました。

前回の予言のマジックでは、重複の無いことを前提として、
「晴眼」「弱視」「指数弁~光覚」「光覚~全盲」それぞれの方を対象としてみたとき、
「光覚~全盲」以外の方にとっては手順が煩雑であったり、現象にインパクトがなくイマイチでした。

ですが、今回のトリックでは手順は比較的シンプルに、晴眼の方でもエーッ!っと声のでるような演出で、非常に好評でした。
今回は基本的に3~5人程度相手の演技ばかりでしたが、大勢相手でもできて、おみやげにもできる良トリックだと思いました。


2:カード当て



キーカードロケーションと言われる方法を用いてカード当てを行いました。
不可能性についてはゆうゆうさんのアイデアを大いに参考にさせて頂きました。
しかしながら、不可能性とシンプルさの折衷は本当に難しいです。
シンプルさを求めればスタックドシステムを用いるともっと簡単にできるかもしれません。
が、なんせザーッと崩れやすいのが点字トランプですから、それも考え物です。

結局、最もシンプルな方法でのカード当てとなりました。
当てる演出自体はテンヨーの「魔法のミニカー」を使いました。これは非常に好評でした。




















予言のマジックでも上がった問題点なのですが、「重複がなく」「墨字が読めず」「点字を常用していない人」に対する方法がまだ不十分だったと思っています。
予言の方は文字に関わる現象ですから、相手によって演じるかどうか判断するのも然りと思います。
ですがこのカード当ては、例えば凸字のマークを書いたカードを20枚ほど用意すれば、点字が分からなくても演技可能です。
「魔法のミニカー」のハプティカル(触覚的)なインパクトはかなり大きいと考えていますので、点字を常用していない人にもぜひ体験してほしいです。

点字トランプを使いたい、というのは様々な要因からの僕の思いなのですが、点字トランプを使わなくても演技できる道は用意した方が良かったと感じています。


3:コインマジック



スペルバインディングボックスとラトルボックスを用いたコインの移動現象です。
真鍮製の4重ボックス、そしてラトルボックスとしてはダン・ハウス氏の「ラトルド」を使いました。
















移動前のボックスとしてラトルドは非常に良かったです。かなりビックリされていました。
横に振るモーションで若干の問題が示唆されるので、(詳しくは書けないのですが)テーブルには布を敷かない方が良かったかもしれません。
総じて、ウケの良かった作品のひとつです。

コインは10円玉で、すり替えられないようにその場で点字のシールを作成するのですが、いやはや、当ってるのかどうか不安でした(笑)
終始緊張しまくるネタでして、ミスもしてしまい、練習不足を感じました。
ウケるネタなので、しっかり練習してモノにしたいと思います。

スペルバインディングボックス開けることについては問題無い様子。
この場合の点字は目印としてなので、点字を常用していなくても「効果的」という意見を頂きました。


4:スプーン曲げ



前回からの鉄板ネタです。
よりシンプルに、より解りやすく、そしてより持ち帰りやすく……
記憶に残る良作に仕上がったのではないかと考えています。

フォークはやってないのですが、メソッドはまあまあできています。
今度、スプーン曲げをすでに体験した方がお客さんで来たらやろうかと思います。


おまけ:リング



ちょっとだけチャイナリングもやりました。
まあ、そこそこのウケ具合ですね。一瞬しかやってないので何とも言えませんが。
前回好評だったので、ちゃんと手順を完成させて、また演じたいと思います。


~今後のために~


以上の4つと、ちょっとだけリングを演じました。
総じて言えることは、着々と進歩してるかな、ということ。
実は、ネタが増えたとか練習したとかだけではなく……

お気づきでしょうか、新ネタ3つのうち2つは、6月の段階ではあまり世に出ていないネタだったんです。
この4ヶ月弱の間に、ラトルドが日本で発売され、野島さんのhistoryが発売され……
最新のトリックにアンテナを張っていると、使えるネタにめぐりあうことも多そうです。
今回は、比較的ラッキーなケースかも知れませんが、今後も最新のトリックにアンテナ張っていきたいと思います。
もちろん、古いトリックを見返すことも大事です。魔法のミニカーなんて、結構昔の作品ですが、こうやって効果的に活かせたりしました。

今後の活動は未定ですが、もっとオープンに、色々な地域で演じていけたらいいなと思っています。
とりあえず、まずやることとして

・予言の再考。点字を常用してない方にも体験してもらえないだろうか。
・カード当てについて、凸字の図形カードを作る。
・リングの手順を完成させる。

身近なところからコツコツ前進していきましょう。

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