旧ブログの記事を編集してお届けします。
2012年6月16日(土)に行われた盲学校マジックショーの記録です。
今回は、なんとサロンマジックです!
~盲学校でサロンマジック!?~
去年に続いて今年も、マジックさせて頂きましたよ!
前回はブース構えてのテーブルマジックショーでしたが、今回は舞台上でのマジック。
盲学校でステージマジック、日本でほとんど例がないチャレンジです。
以下、感想や反省点など書きたいと思います。
演じたマジックは1つだけ、楽器(パーティーグッズ)の予言でした。
お客さんを4人舞台に上げ、Aさん、Bさん、Cさんにはそれぞれ紙袋を1つずつ持ってもらいます。
Dさんにはテーブルの前に立ってもらい、代表者として楽器を1つ選んでもらいます。
楽器はカランカランと鳴る「ベル」、パフパフと鳴る「ラッパ」、シャンシャンと鳴る「タンバリン」の3種です。
Dさんがタンバリンを選んだら、実はマジシャンはそれを予言していたと言って、Aさんに舞台中央まで来てもらい、紙袋の中に入っている楽器を鳴らしてもらいます。するとAさんの紙袋の中に入っているのはタンバリンです!
オオーッ!!っと一瞬拍手が来るのですが……よく考えるとおかしいのです。
残り2人、BさんとCさんが持っている紙袋の中身が気になります。ひょっとして「ベル」「ラッパ」が入ってるんじゃないの……?
仕方ないのでBさん、Cさんにも紙袋の中身を鳴らしてもらうと……シャンシャンという音がひびきます!
なんと3人とも、紙袋の中身はタンバリンだったのです!
予言が無事成功して、このマジックは終わります。
というプロットでした。好評で、なかなかウケも良かったと思います。
しかしこの演技は大きな反省点を残しました。
「音」をなめていたなぁという点です。
この演技、僕はオーディアル(聴覚的)な現象ではないと思っていました。
知覚の手段が聴覚なだけで、結局不思議なのは認識の問題。オーディアルな驚きを誘発する現象ではないということです。
しかし、このプロットはオーディアルな要素を多大に含んでいたのです。
演技が終わった後、色々なお客さんに感想を聞いてみました。
「面白かった」「不思議だった」「びっくりした」など嬉しい感想が多かったのですが、その中に
「パフパフが面白かった」「ラッパの音が楽しかった」「ラッパが良かった(←?)」
という感想を結構耳にしました。
僕はこの3種類の中で「タンバリン」という楽器が、一番その形状が認知されていて分かりやすいかなと考えていました。
ベルとラッパは、どんな形のものをどうやって舞台上で鳴らしているのか想像しにくいと考えていたのです。
しかしながら、全盲のお客さんにとってはその認識は全く異なっていました。
結局、舞台上で何をどんなふうに鳴らしているのかなんてのは本質的ではなくて、その音が認知のベースだったのです。
なので、一番ストレートで特徴的な「ラッパ」のパフパフという音が最も印象に残っていたようです。
だったら、予言の当たる楽器がラッパで、一人目の紙袋から「パフパフ」、二人目も「パフパフ」、最後の一人も「パフパフ」とした方が面白かっただろうし、オーディアルな不思議さを演出できたのではないかと思います。
(↑この辺りはちょいタネや演出、道具の調達にも関わるので一概には言えないのですが。)
オーディアルな部分をしっかり吟味できていなかったことは大いに反省するべきだろうと考えます。
勉強させて頂いたと思い、今後また盲学校や視覚障害者支援施設でマジックをする際に活かしていきたいと思います!
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